2021年3月18日木曜日

本日の板書




  本日は一句だけ「報土因果顕誓願」。「われわれをたすけるお浄土のはたらきは、仏さまが願うことでできました。そして、仏さまによってお浄土ははたらいております。」これだけでは、なにがすごいのかわかりません。けれど、お浄土は人間の仕事じゃないってことがポイントだったんです。仏さまの願いを「本願」といいます。「本願」とは「命あるすべてものに安心と満足をあたえたい」という願いのことです。これって、ほんらいならば人間が持たなければいけない願いではないでしょうか。わたしたち人間だって「良くしよう」と思って生活しているわけです。でも、人間は自分中心をやめられないので、上手いこといかない。上手いこといかないどころか、どうしたら本当に安心して満足できるのかということがわからない。資本主義、社会主義と言いますが、仮に主義が上手いこといっても得られる世界は「みんなお金持ちで健康で長生きな世界」くらいです。そんな世界で満足できますか?ってなると「うぅっ!」ってつまってしまいます。だって、お金持ちで健康で長生きでも歳はとるんだし、喧嘩もしそうだし、やっぱり死ぬし、いわば生老病死の苦しみは解決しないから、それで満足ですとはいえません。だからわれわれ人間の願いを実現するのではなく、われわれに代わって仏さまがたてられた願いに生きるわけです。浄土は清浄真実な世界、その浄土というものに触れることでわれわれが不実な世界を頼んでいたのだと目が覚める。この目覚めを生きているあいだ無限に繰り返してゆく。それをお念仏のはたらきといいます。

本日も一時間おつきあいいただきありがとうございました。